研究書・論文 
現代農村における「家」と女性 現代農村における
「家」と女性

庄内地方に見る歴史の連続と断絶

永野由紀子著


定価: 本体7000円+税
2005年2月刊
ISBN4-88708-342-4
A5箱 274頁

在庫あり
2005年度日本村落研究学会研究奨励賞受賞/山形県庄内地方の事例研究をとおして「家」を日本の伝統家族とする通説を批判し、成員の生活保障を目的とする生活システムとして「家」を捉えなおすことによって,「家」の研究に新しい理論地平を拓く
【主要目次】
序 論 本書の課題と構成
第1章 生活システムとしての「家」−民俗学から有賀社会学の確立に向けて−
  家制度と「家」の区別と関連−川島武宜の「家」/民俗学の系譜の「家」理解
  −労働力移動の視点−/有賀社会学の確立に向けて−日本資本主義論争
  における「第3の立場」−/有賀理論の意義と限界
第2章 「家」の歴史性と地域性
  東北農村における水田単作村の位置づけ−竹内利美の「家」と「村」−/
  小農的経営基盤と家族構成−「大家族」と「小家族」−/白川村の「大家族」
  −「家」の1形態−/おわりに−小経営と大経営−
第3章 「家」と女性
  家長制と女性の地位/東北農村における女性の地位と役割/家長権と女性
  の地位の地域的ヴァリエーション
第4章 有賀・喜多野論争における2つの論点
  通文化的アプローチへの批判−普遍主義vs多元主義,段階論vs類型論−/
  「家」の2側面へのアプローチ−親族組織アプローチと生活組織アプローチ−/
  有賀理論の射程
第5章 庄内地方の地域的特質−戦前から農地改革を経て現在まで−
  戦前と戦後の連続と断絶/庄内地方の現況
第6章 農村女性の多様化と「家」
  女性に視点を据えた「家」の実証研究の意義と課題/家族構成と家族内位置/
  農村女性の就労形態の多様化と家族内役割分担の再編/農村女性の生活と
  意識の変容/おわりに−「総兼業化」と助成の就労形態の多様化−
第7章 小経営組織としての「家」と女性
  調査の課題と対象者の属性/対象地域の概況と対象農家の経営形態/家族内
  役割分担の変容−経営と労働の一致と乖離−/「家産」としての農地−農地の
  所有名義と養子縁組−/「家業」としての農業−農業後継者と「家」の後継者−/
  おわりに
第8章 生活保障組織としての「家」
  地域の歴史と概況/直売所成立の経緯と対象農家の現況/直売所と農業
  労働力/家族周期と女性の就労形態の変化/高齢者農業と家計/兼業農家の
  ヴァリエーション/「家」の後継者と農業後継者/おわりに
補 論 「家」の連続と断絶−1970年代後半から1990年代後半まで−
  「総兼業化」と女性の役割構造の変化/「家」意識−「家産」としての農地と「家業」
  としての農業−/地域的特殊性と一般性−稲作農業と地域労働市場の展開−
結びにかえて−<地域>から見た歴史の連続と断絶−
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