研究書・論文 
アイルランド大飢饉

アイルランド大飢饉 裏表紙
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アイルランド大飢饉
ジャガイモ・「ジェノサイド」・ジョンブル


勝田俊輔・高神信一編


定価: 本体6,500円+税
2016年2月刊
ISBN978-4-88708-427-8
A5 400頁

在庫あり
19世紀の西ヨーロッパが経験した最悪の惨事!

死者約百万人、さらに百万人以上の国外流出者を出したこの大飢饉(1845〜50年のジャガイモ飢饉)を解明した日本初の取組。農業経済、救済政策、慈善、ナショナリズム、海外移民、インド飢饉との対比、文学、 歴史認識といった多様な側面からの綿密な史料調査に基づく論考10編が、大飢饉像を立体的に描きだす

1845年の夏、アイルランドの畑地に異変が起こった。青々と茂っていたジャガイモの葉と茎に黒い斑点が浮かび始め、間もなく全体が黒ずみ、異臭を放ちながらしおれていった。地中のイモを掘り出してみると固くしなびており、とうてい食べられるものではなかった。翌年、異変は各地に広まり、この年のジャガイモは大打撃を受けた。当時のアイルランド農村では (……) 総人口の約四割を占める貧農層の主食がジャガイモだった(……)アイルランド大飢饉―近代の西ヨーロッパが経験した最悪の飢饉―が始まったのである。(「はじめに」から) 新しい飢饉の歴史学を構築し、さらには日本の歴史学からの国際発信の可能性までを視野に入れた意欲的な共同研究
【略目次】
【略目次】
はじめに:勝田俊輔
第一章 アイルランド大飢饉―概略と歴史認識:勝田俊輔
第二章 大飢饉とアイルランド経済:武井章弘
第三章 大飢饉とアイルランド政治:勝田俊輔
第四章 古典派経済学とアイルランド大飢饉:古家弘幸
第五章 政府の救済策:高神信一
第六章 チャリティと大飢饉:金澤周作
第七章 大飢饉とアメリカ移民のナショナリズム:高神信一
第八章 インド19世紀後半の飢饉の歴史像―アイルランド大飢饉との関連で:脇村孝平
第九章 19〜20世紀アイルランド文学と大飢饉:ジェーン・オハロラン(勝田俊輔訳)
  第十章 大飢饉の歴史研究と20世紀アイルランド政治:L・M・カレン(勝田俊輔訳)
あとがき:高神信一
 索引,文献目録。「大飢饉時に描かれた唯一の絵画」とされるカバー装画(表面)を始め,図版も多数収録!
【執筆者紹介】
勝田俊輔 (かつたしゅんすけ) 
1967年生,博士 文学(東京大学)
東京大学大学院人文社会系研究科 准教授
主要著作:『真夜中の立法者キャプテン・ロック―19世紀アイルランド農村の反乱と支配』(山川出版社 2009);“Conciliation, anti-Orange Politics and the Sectarian Scare: Dublin Politics of the Early 1820s”, Dublin Historical Record, 64-2 (2011);“The Proposal for a Militia Interchange between Great Britain and Ireland”, Irish Sword, 29-116 (2013)

高神信一(たかがみしんいち)
1959年生,PhD in Modern History (Trinity College, Dublin)
大阪産業大学経済学部 教授
主要著作:『大英帝国のなかの「反乱」アイルランドのフィーニアンたち』(同文舘 第二版2005);“The Fenian Rising in Dublin, March 1867”, Irish Historical Studies, 19-115 (1995);「イギリス労働党とアイルランド独立戦争(1919-21年)−アイルランド人の自決かイギリス帝国の解体か」『歴史学研究』825(2007)

武井章弘(たけいあきひろ)
1962年生,PhD in Modern History (Trinity College, Dublin)
大阪学院大学経済学部 教授 
主要著作:“The First Irish Linen Mills, 1800-1824”, Irish Economic and Social History, 21 (1994) ;“The Political Economy of the Irish Flour-Milling Industry, 1922-1945” in Andy Bielenberg (ed.), Irish Flour Milling: A History 600-2000 (Dublin: Lilliput Press, 2003);「18世紀アイルランド・リネン工業の比較経済史的アプローチ―政策・市場・生産」『エール』32(2013)

古家弘幸(ふるやひろゆき)
1972年生,PhD in History (University of Edinburgh)
徳島文理大学総合政策学部・専門職大学院総合政策研究科 准教授
主要著作:“Working the Peripheral into the Picture: The Case of Thomas Hepburn in Eighteenth-Century Orkney”, The European Journal of the History of Economic Thought, 18-5 (2011);「オークニー諸島の野蛮と啓蒙―改良と抵抗のはざまで」田中秀夫編著『野蛮と啓蒙―経済思想史からの接近』(京都大学学術出版会 2014) 第7章;「社会、言語、思想―スコットランド啓蒙の諸相」『人文科学研究 (キリスト教と文化)』(国際基督教大学キリスト教と文化研究所) 第46巻 (2015)

金澤周作(かなざわしゅうさく)
1972年生,博士 文学(京都大学)
京都大学大学院文学研究科 准教授
主要著作:『チャリティとイギリス近代』(京都大学学術出版会 2008);『英国福祉ボランタリズムの起源―資本・コミュニティ・国家』(共編著、ミネルヴァ書房 2012);『海のイギリス史―闘争と共生の世界史』(編著、昭和堂 2013年)

脇村孝平(わきむらこうへい)
1954年生,博士 経済学(大阪市立大学)
大阪市立大学大学院経済学研究科 教授
主要著作:『飢饉・疫病・植民地統治―開発の中の英領インド』(名古屋大学出版会 2002);『講座生存基盤論1 歴史のなかの熱帯生存圏―温帯パラダイムを超えて』(共編著、京都大学学術出版会 2012);『現代インド1 多様性社会の挑戦』(共編著、東京大学出版会 2015)

ジェーン・オハロラン(Jane O'Halloran)
MA in English Literature (Trinity College, Dublin);MA in Narrative and Modernity (National University of Ireland, Maynooth);MA in Building and Conservation (University College, Dublin)
岡山理科大学専任講師
主要著作:Jane Fenlon and Hugh Maguire, An Introduction to the Architectural Heritage of County Waterford (NIAH, 2010)(部分執筆); Rolf Loeber, et al. (eds.), Art and Architecture of Ireland IV: Architecture 1600-2000 (Yale U. P., 2014)(部分執筆); Merlo Kelly, An Introduction to the Architectural Heritage of Dublin North City (NIAH, 2015)(部分執筆)

L・M・カレン(Louis M. Cullen)
1932年生,PhD(London School of Economics and Political Science)
ダブリン大学名誉教授
主要著作:The Emergence of Modern Ireland 1600-1900 (Holmes & Meier, 1981); An Economic History of Ireland since 1660 (B. T. Batsford, second ed., 1987); A History of Japan, 1582-1941: Internal and External Worlds (Cambridge U. P., 2003)
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